Matsumura 松村組

2024.04.08

AIによる配筋検査サービス(AIカメラと専用アプリ)を2024年4月から導入開始 配筋を立体検知する技術を活用し、プライム ライフ テクノロジーズとの継続的改善スキームを構築 

NEWS

 配筋検査システム協議会の会員会社であるゼネコン21社※1とプライム ライフ テクノロジーズ株式会社は、建設DX※2サービス「CONSAIT※3(コンサイト)」として、配筋検査における品質向上と業務効率化をサポートする配筋検査システム(以下、本システム)の共同開発を行ってきました。ゼネコン21社では、2024年4月より本システムの先行導入を開始します。

 本システムは、パナソニック社の技術を活用して開発したAIカメラ「CONSAIT Eye」により配筋を立体的に検知することで鉄筋径、本数、ピッチ、鉄筋の配置を計測、登録した設計データと自動照合し、その結果を各帳票フォーマットへ自動的に反映します。配筋検査の事前準備となる検査用データの入力や各帳票の作成は、「CONSAIT Pro 配筋検査」で効率化されます。本システムにより、検査や記録の正確性、検査品質が向上し、同時に、配筋検査の繁雑な作業が効率化されることで作業時間の大幅な短縮(事前準備・検査・写真撮影・帳票化の合計時間を約1/2に短縮※4)を実現します。

1.開発の背景
 2024年4月1日に適用された「働き方改革関連法」にもあるように、建設業界の共通課題として、熟練技術者の高齢化や離職、若手技術者の入職減少や育成に時間を要する点、品質管理の厳格化による業務量増加などが挙げられます。国土交通省では、2025年度までにICTを活用して建設現場の生産性を2割向上させる目標を掲げており、建設DXの推進によって、生産性向上など共通課題の解決が期待されています。

2.本システムの概要
 本システムは、建設現場全般の記録業務を効率化・共有化する基盤・記録アプリ「CONSAIT Basic」、配筋検査専用アプリ「CONSAIT Pro 配筋検査」、専用デバイスであるAIカメラ「CONSAIT Eye」の3つで構成されています。
① CONSAIT Basic
 日々の建設現場の記録業務(電子小黒板の作成、写真撮影、是正管理、図面管理、報告書作成)を効率化するアプリです。全ての工種に対応し、直感的な操作を可能としています。
② CONSAIT Pro 配筋検査
 事前準備となる検査用データ入力や検査項目の設定、検査後の各帳票作成など、配筋検査の業務全体を効率化するアプリです。

③ CONSAIT Eye(AIカメラ)
 AIと3眼カメラを搭載した本システム専用のカメラデバイスにより配筋を立体的に検知することができ、鉄筋径、本数、ピッチだけではなく鉄筋の配置の計測を可能としています。土木現場と比べ、普及が遅れていた建築現場向けのAIカメラの導入により、建設DX化を図ります。(土木現場への対応も予定しています)

                 写真2  CONSAIT Eyeの外観

3.本システムの特長
 本システムの特長は、以下のとおりです。
・配筋の立体検知が可能
・誰の手でも持ちやすく、使いやすい操作感
・検査箇所の全数記録を容易化する機能
・監理監督者などの遠隔臨場に対応可能
・オフライン環境でも計測可能

4.今後の展開
 ゼネコン21社では、現場検証を重ねることで、本システムが配筋検査の検査品質や業務効率化に対して有効であることを確認しています。今後も、プライム ライフ テクノロジーズ株式会社と継続的改善スキームで協業し、建設業界の課題解決と生産性向上を目指し、本システムの改良および現場への普及を図ってまいります。

※1 配筋検査システム協議会 会員ゼネコン21社(2024年3月現在)
青木あすなろ建設株式会社    株式会社淺沼組    株式会社安藤・間  株式会社奥村組
北野建設株式会社        株式会社熊谷組    五洋建設株式会社  佐藤工業株式会社
大末建設株式会社        髙松建設株式会社   鉄建建設株式会社  東急建設株式会社
戸田建設株式会社        飛島建設株式会社   西松建設株式会社  日本国土開発株式会社
株式会社長谷工コーポレーション 株式会社ピーエス三菱 株式会社松村組   村本建設株式会社
矢作建設工業株式会社
※2 DX:Digital Transformation、デジタル技術を用いることで生活やビジネスが変容していくこと
※3 CONSAIT:プライム ライフ テクノロジーズ株式会社の登録商標
※4 従来方法のアンケート調査と本システムの実証実験結果の比較